新築から維持･修繕まで宮�ｱ建築設計の専門スタッフが経験豊富なブレーンとしてサポートします

【医院建築と機能の調和】

　いったい医院はだれのためにあるのでしょうか。医者のためにあるのでしょうか。医学の研究のためにあるのでしょうか。そんなことはないはずです。医院は患者のためにあることぐらい、小学生に聞いても分かります。
　さて、話しを現在にもどして、今の医院の置かれている状況について見てみましょう。毎年膨張を続ける国民医療費を改善させるため、入院期間を短縮させるための医療政策。薬価基準の見直し。入院環境改善のための医療法や医療保険制度の改定。医院の機能評価。患者への説明責任を重視したインホームド・コンセント。妥協をしない消費者としての厳しい市民の姿勢。過剰な医院の数やベット数がもたらした医院間の過当競争。いずれにしても大変な時代であり、良い医院と悪い医院が社会から選別される時代 になったということです。今や「病気を見てやる」から「正確で安心できる医療サービスの提供」に変わり、患者にとってはいい環境が整ってきたと言えます。しかしながら、最近新築される医院のなかには、外観ばかりが立派で内容のないものや、外来ホールに高価な石が張られているわりには、適切な手すりがなくトイレが貧弱だったり、いったい誰のためにつくられたのか首を傾げたくなります。「生きる」ことや「死をむかえる」ことの現実と向き合っている患者やその家族にとって、豪華な外観や仕上げは何の意味もありません。体を支える手すりが途切れることなく施されていることの方がどれだけ助けになるかを認識すべきです。

【階高設定で医院設計のグレードが判る】

　建築基準法出で規定されてい階高は、最低2.100mm以上と決められています。しかし、それは、世の中のあらゆる建物を対象としているため、医院建物で必ずしも満足するとは限りません。
　特に、天井内は設備配管や空調・換気ダクトが所狭しと納まり、正に、スパゲッテイ−状態ですが、設備のグレードを計る目安の一つに、空調ゾーニングの細かさがあります。具体的なゾーニングに関しては、設備設計者の力量に委ねることとなりますが、手術室やＩＣＵなど、設備上の観点から、空気環境の静浄度を重視した環境形成には、それ相応の性能を持ったフィルターの選定が必要になります。
　ＨＥＰＡフィルターなどの超高性能フィルターを設置した場合、天井内にＨＥＰＡフィルターユニット（冷水･温水コイルを設置し、各室の温度コントロールを可能にしたユニット）を設置し、各室で、温度コントロールを可能にするシステムは、もはや当たり前のシステムと考えてられますが、医院のグレードにより、今だに、そのような高性能フィルターを設置していない、名前ばかりの手術室が存在することも事実です。
　医療法では、手術室の清浄度に関した規定は無く、一部の学会指針で、好ましい清浄度の推奨をしている状態です。（詳細は、日本医院設備協会（現　日本医療福祉設備協会）規格『医院空調設備の設計・管理指針』HEAS-02-1998など参照。）例えば医院の階高設定には種々の説が有りますが、手術室のある階高は、天井懐内をダクト・配管がスムーズに納まる高さとして、概ね5.000mm程度を要する反面、それ以下の階高設定ではＨＥＰＡフィルターの設置は難しく、相応のグレードのフィルター使用となります。
　このように階高設定一つをとっても、医院設計には多くの考慮点があり、利用者全てによってより良い建築を実現するには、日々の研究と実践による実績の積み重ねが重要となります。


【実績ある設計力＋医院経営への貢献】

�@介護保険対応リフォーム

岡山あさひ病院（旧東山病院）の事例
	工事概要： 構造・規模 鉄筋コンクリート造　３階建 面　　　積 ３８３２．４２�u 着　　　工 平成　　１１年　　８月　２０日 竣　　　工 平成　 １２年　　３月　３１日 解説： 改修工事を3期に分けて、一般病院から長期療養型病床群に改修し、介護保険対応型への更新、およびリハビリテーション施設の充実を実現しました。 ←デイサービス施設

�A機能回復訓練施設の新設

国立病院岡山南療養所の事例
	工事概要： 構造・規模 鉄骨造　１階建 面　　　積 ４７９�u 着　　　工 平成　１３年　１０月 竣　　　工 平成　１４年　３月 解説： 時代の要請に応じて、機能回復訓練施設を増設し、充実させています。同時に雨漏りを特殊工法により改修しました。

上田紀念病院の事例
	工事概要： 構造・規模 鉄骨造　３階建 面　　　積 １０６４．９４�u 着　　　工 平成　１２年　１２月　　２０日 竣　　　工 平成　１３年　　５月　　２０日 解説： 一般病床を長期療養型病床群に改造し、将来の医院経営の充実を図りました。同時に給食棟におけるO-１５７感染予防のため、乾式床仕様への全面改修を実施しました。

�B医療コンサルタントとの提携

医療制度改革などの変革に的確に対応するため、医療専門コンサルタント３社と提携し、医院経営改善を視野に入れた建築設計・コンサルティングを心がけています｡